女性消防士 Q & A



 火災や救急、救助の災害出動時以外では、「消防士は何をしているのか」、「消防にはどのような仕事があるのか」など、皆さまのさまざまな疑問に女性消防士がお答えします。
 消防のこと、女性消防士のことについて少しでも興味を持っていただければ幸いです。


Q1.消防士の仕事内容は?

会津若松消防署勤務・40代:私は会津若松消防署予防係で仕事をしています。仕事は平日の8時30分から17時15分までです。
 仕事内容は、火災予防を目的として建物に設置してある消火器やスプリンクラーなどの消防用設備やガソリンスタンドなどの危険物施設の指導などを行っています。
 また、火災が発生した場合には、火災現場へ向かい火災が起きた原因や損害などを調べる火災原因調査を行い、今後同じような火災が発生しないようにするために、住民のみなさんに注意を呼び掛けています。
 火災が発生した時には休みでも夜中でも現場へ行き、火災調査を行います。

会津坂下消防署勤務・30代:私は会津坂下消防署予防係で仕事をしています。朝8時30分から翌朝8時30分までの24時間の交替制勤務で、1日をとおして、災害にそなえています。火災が発生した時や、急病などの出動指令があった場合、消火・救急・救助活動のため、消防車や救急車で現場へ出動します。火災が発生しないよう地域を巡回し予防広報することも重要な仕事です。
 また、災害に備えながら出動した報告書のまとめをするなどデスクワークもしています。

指令課勤務30代:私は指令センターで仕事をしていて、119番通報の受付、災害情報の整理や地図情報の入力などをしています。



Q2.消防士の仕事を選んだきっかけは?

会津若松消防署勤務・40代:私の家は父が消防士、母が看護師をしていて、自分の将来やりたいことを考えた時に、私は単純だったので父や母のように職名から仕事内容が分かる仕事を選びたいと思っていました。いわゆるOLさんの仕事内容やOLをしている自分の姿が想像できなかったため、なんとなく消防士か警察官がいいなと思い、両方の試験を受けていました。どちらも人の役に立つ仕事であることは共通しているのかなと思います。

会津坂下消防署勤務・30代:ずっと運動部に所属しており、体力に自信があったこと、地元の公務員を志望していたことから目指しました。

会津坂下消防署勤務・30代:大学で救急救命士の資格を取得し、この資格を一番活かせるのは消防だと思ったからです。

会津坂下消防署勤務・30代:人命救助の最前線で働く消防士に憧れを抱いたためです。


指令課勤務・30代:生まれ育った地元で働きたかったからです。


Q3.やりがいはありますか?

会津若松消防署勤務・40代:予防係の仕事は火災を未然に防ぐための仕事なので、結果が見えにくい仕事です。また救急や救助のように目に見えて人から感謝される仕事ではありません。しかし、立入検査や避難訓練等で指導したことで火災の発生を防ぐことができていると信じて仕事を頑張っています。
 また、消防に入ったばかりの頃に、救急車で搬送した女性の方から、女性の消防士がいてくれて良かったと後日、消防署にお電話をいただいたことが今でも励みになっています。

会津坂下消防署勤務・30代:火災の件数が減った時、現場で傷病者の方やその家族にお礼を言われた時、様々な場面でやりがいを感じ、この仕事を誇りに思います。



Q4.男女差別はありますか?



会津若松消防署勤務・40代:女性職員だから任せてもらえない仕事はないと思います。女性職員の中でも得意分野は違うので一概に女性職員だから体力がないとか、女性職員だから幼稚園などの避難訓練に向いているということはないと思うので、個人個人で苦手分野は克服するように努力し、得意分野を伸ばすようにしています。
 私が消防に入った当時は、消防という仕事は男性職員しかおらず、女性職員と一緒に仕事をすることに慣れていない男性職員もいましたので、どちらかと言えば気を遣ってもらっていたように思います。

会津坂下消防署勤務・30代:仕事の内容に男女で差はほとんどありませんが、筋力や体格による性差はあります。消防はチームで活動するので、男女に限らずチームでカバーしあって活動しています。

会津坂下消防署勤務・30代:男女での差別はありません。しかし、妊娠や出産をすること、体力など男性よりも劣る部分があることは事実であるため、適材適所の職種に配置することを考慮されることはあります。



Q5.消防士をやるうえで大切なことは何ですか?

会津若松消防署勤務・40代:人の役に立ちたい、人の助けになりたいという気持ちを常に持ち続けることです。

会津坂下消防署勤務・30代:チームワークです。


Q6.普段どんなトレーニングをしていますか?

会津坂下消防署勤務・30代火災・救急・救助に備え、多種多様な訓練と体力錬成をしています。


Q7.1日の出動回数は?

指令課勤務・30代:当広域圏内の1日の出動件数は平均23.5件、1年間で8,595件になります。8,595件のうち火災が60件、救急8,160件、救助92件、その他283件となっています。(令和2年統計)


Q8.火災の際、防火服に着替えるスピードはどのくらいですか?また防火服の重さは?

会津坂下消防署勤務・30代:約15秒です。1分1秒でも早く出動できるよう日々訓練しています。防火服は空気呼吸器も入れると、全部で20kg近くの重量になります。


Q9.現場に向かう時の心情は?

会津坂下消防署勤務・30代:困っている人のもとへいち早く駆けつけ、被害を最小限に抑え、助けたいという気持ちになります。

会津坂下消防署勤務・30代:現場で的確な活動をするため、冷静な心を保つよう努めます。

会津坂下消防署勤務・30代:自分の役割分担や使用する資機材を現場到着までに再確認し、様々な状況を考えながら出動しています。


Q10.やっていて怖い、辛いなと思う時はありますか?

会津坂下消防署勤務・30代当然あります。その感情があるからこそ、安全でいい活動ができるよう努力することが出来ます。

会津坂下消防署勤務・30代現場は怖い・辛いと思うことばかりです。火災では「天井が崩れるかもしれない」、救急では「搬送している方の状態が悪くなるかもしれない」、そう考えると、現場は常に怖いと感じます。しかし、その恐怖に打ち勝てるよう、訓練に励み、少しでも不安を取り除けるようにしています。

会津坂下消防署勤務・30代人命や財産に関わる仕事なので、常に怖い気持ちはあります。


Q11.火は熱くないですか?

会津坂下消防署勤務・30代
:熱いですが
火災の際は、耐熱の防火服を着装し炎や熱から体を守っています。


Q12.どのような判断で人を助ける、助けないを決めていますか?

会津坂下消防署勤務・30代すべての人を助けようとして活動しています。私たちはあきらめません。助ける人が多い場合には、処置をする順番に優先度をつけることはあります。トリアージといいます。

会津坂下消防署勤務・30代どのような方に対しても、全力で助ける努力をします。ですが心肺停止状態が長い時間続いた方は、救急搬送等を行わない場合もあります。

会津坂下消防署勤務・30代:災害発生時に多数の傷病者が発生したときは緊急度・重症度に応じて搬送の優先順位を決めなければならない現場もありますが、常にすべての人を助ける気持ちで活動しています。


Q13.亡くなった人を見て、どんな感情になりますか?

会津坂下消防署勤務・30代助けられる命を、これからもっと一人でも多く助けたい、という感情が強くなります。

会津坂下消防署勤務・30代助けられなかったことに対する悔しさ。その悔しい思いを繰り返さないよう、自身や隊の研鑽に努めます。

会津坂下消防署勤務・30代:現場の状況によって、感情は異なりますが、引きずらず次の現場に備え気持ちを切り替えています。


女性だからこそ必要とされる場面が必ずあります。
「安全」と「安心」を担う消防という仕事を選択肢の一つにしませんか?
会津若松消防本部でぜひお待ちしております!!